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千年のチェンバロ

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自宅です。元車庫、今は物置き・作業場・面会所。 映えポイントありません。 私好みのコーヒーでよければご馳走致します。 車の方、基本路駐です。冬、雪で道が狭くなったら路駐もできません。m(_ _)m

コーヒー豆のヌルヌルは風味

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 ヌルヌル、ネバネバは何かと人の体にいい効果があるようです。 コーヒーもヌルヌルがいい仕事をします。 果物は甘みと酸味 例えばミカン。 酸っぱいだけのミカンは売れない。レモンでさえ甘みはあります。甘すぎてもだめ。甘みと酸味のバランスが旨さに繋がります。 サクランボを食べると、種の周りにヌルヌルがあるのが分かると思います。コーヒー豆にもヌルヌルがあります。このヌルヌルのまま乾燥すると果実の風味がコーヒー豆にも染みるようです。これがやがて風味にプラスされ、個性としてプラスされます。 深煎りではなく浅煎りで 最近のカフェラテブーム。ミルク入りのエスプレッソコーヒー。苦味こそが正義!? 深煎り焙煎。 湯温が90度 挽きが粉 抽出が20秒 エスプレッソの旨さは凝縮された苦味と甘み(カラメル)。更に酸味も欲しいと、浅煎りにするとバランスが崩れ苦くて酸っぱい味になります。人間には、 苦いは毒 酸っぱいは腐敗 という防衛本能が先に立って拒否反応が起きます。浅煎りコーヒーでエスプレッソを淹れるとそういう酷いことになります。 そこで、ドリップコーヒーの出番ですが、同様に深煎りでは酸味は出ないし。出てもまずい。やはり酸味は浅煎りがベスト。幸い、ドリップコーヒーはエスプレッソコーヒーのように高音で淹れる必要はないので苦味も抑えられます。フルーティーな酸味と甘み、個性的な風味を残せる方法は「ドリップコーヒーの浅煎り」なのです。 豆の種類よりも精製方法 ではどんな豆を選べばそれが味わえるのでしょうか。豆の種類というよりは精製方法を選びます。 ナチュラル精製(果肉のまま乾燥) パルプドナチュラル精製(果肉は取るがヌルヌルは残して乾燥) という精製方法がそれです。ナチュラルのほうがより個性的ですが言い方を変えれば癖があるということにもなります。パルプドナチュラルの方が癖控えめです。 この二種類から選べば甘みと個性を味わえる筈です。 豆のラベルには略して ナチュラル「N」、パルプドナチュラル「PN」 と略している表示もあります。 「W」 はウォッシュドの略で、果肉もヌルヌルも全部取った豆です。癖のないスッキリ系。 その他の選択としてグレードがあります。生産者や農園など明らかなものが質もよいと思います。値段は需要と供給の関係。懐と相談しながら楽しむのがいいと思います。 淹れ方 私は ネルドリッ...

コーヒーは透明なもの

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 そもそも、コーヒーというものは透明なものだと思っています。 美しいい色、透明度。 透明なコーヒーは見た目だけではなく、風味がよいことの証でもあります。 特に濃度が高く、透明度が高いものほど価値があると思います。 こうして出来たコーヒーにミルクや砂糖をいれると見た目も風味も変わってしまいます。 勿体なく、申し訳なく、気が引けます。

紙・布・金(フィルターの話)

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 紙は紙臭いとか。それなら布は布臭い。金属は金属臭い。 コーヒーのフィルターの材質。気になる人はフィルターにお湯を注いで飲んでみるといいです。湯通ししてから使うと良いでしょう。完璧なものなどありません。注目して欲しいのは フィルターの粗さ です。フィルターで濾し取った残りをコーヒーとして飲むことになります。そこで実験してみました。 布フィルター 金属フィルター ペーパーフィルター を用意します。500ccの水を注いで落ちきる時間を測りました。結果は早い順に並べると 40秒=金属  50秒=布    3分50秒=ペーパー  粗い順に速く落ちたのです。手持ちのものでは、金属が最も荒く、ペーパーが最も細かい。あえて味の特徴を言うなら 味が濃く油分も多めで、飲みごたえがあります。 濃度と風味のバランスが良く酸味もほどよくスペシャリティーに向きます。 甘みが出て、飲みやすい。(他の成分がフィルターに残る) この実験ではペーパーが3分以上かかりました。500ccという量は非現実的でかなり多めですね。  荒いと多くの成分が通り抜けます(味も風味も多い)。細かいとすり抜ける成分が少なくなります(お湯との接触時間が長いので甘みは残りやすいようです)。 速い(粗い)フィルターでお湯を一度に注ぐとコーヒー粉に触れる時間が短すぎて薄くなってしまいます。湯量を少なくしながら、じっくり抽出する覚悟が要ります。家庭用には向かないかもしれません。  家庭でペーパーフィルターの使用率が高いのは、少しぐらい乱暴にお湯を入れても豆との接触時間が長いのである程度の旨味成分も抽出されます。あまりお湯を勢いよく入れ掻き混ざると粉が沈殿して目詰まりするので注意が必要です。微粉を減らすには粗挽きするか、2度挽きするか、篩(ふるい)にかけるか。 どのフィルターにも個性があって、それを生かすのは入れ方次第です。それもまた楽しみのうち。 目が細かいと抽出に時間がかかり、荒いと速くなります。 豆の挽きの荒さと、フィルターの目の大きさの組み合わせで選びます。 荒すぎると薄いコーヒー、細かすぎると目詰まりして抽出が止まってしまいます。 最初の注湯から完了まで3分程度で抽出します。(エスプレッソは微粉・高温抽出なので20秒で完了)

コーヒー抽出はドリップ式が最終形

1. 水またはお湯を使う 全ての淹れ方で共通しています。 2. 浸漬式の特徴 浸け置き式です。器具は色々。サイフォン、コーヒープレス、クレバードリップ…。 ポイントは、 水またはお湯とコーヒーを同じ容器に入れたままにしておく方式は全て浸漬式です。 水に溶けたコーヒー液とコーヒー豆(粉)の浸透圧が同じになれば抽出は終わってしまいます。つまり、豆の量に対して濃度が低い。 癖がなく飲みやすい 時間と量と温度を同じにすれば誰でも同じ味が出せる 飽和状態になると抽出は終わる 3. 透過式の特徴 透過式は浸漬式の欠点である飽和状態を作らないように、少しずつお湯を加えて、少しずつ抽出していきます。浸漬式の発展型とも言えます。フィルターとしては、紙や布、金属ネットなど様々ありますが、浸透と抽出を同時に行います。(かなり細かく挽いて短時間で透過するのがエスプレッソです。) ボディー感が強く旨味のある味わい 注湯の調節が難しく、同じ味を作るには鍛錬が必要 豊かな風味を追求するなら透過式でしょう。 ※ フィルターで漉す。 紙、布、セラミック、金属ネット、色々。重要なのは目の荒さ。 目が細かいと抽出に時間がかかり、荒いと速くなります。 豆の挽きの荒さと、フィルターの目の大きさの組み合わせで選びます。 荒すぎると薄いコーヒー、細かすぎると目詰まりして抽出が止まってしまいます。 最初の注湯から完了まで3分程度で抽出します。(エスプレッソは微粉・高温抽出なので20秒で完了) こちら も参照してください。 以上の理由で味がいいのは透過式で布フィルター。 ネルドリップ式で決まりです。(*^^)v

水出しコーヒー

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そもそも何故水で抽出するのか お湯と水では抽出される成分に違いがあり、雑味・エグみがほとんど無い 数時間掛けて抽出するので独特の風味や深い味わいが楽しめる さらに、透過式(点滴式)と浸漬式があります 浸漬式  ティーバッグ式は「浸漬式」です。他にも様々な器具がありますが水が移動しないものは浸け置き式です。粉が器具の中間にあろうが、底にあろうが同じです。浸漬式はすぐに飽和状態になってしまいます。水がコーヒー粉の中に染みたまま動かない。コーヒー粉からの成分抽出が一定量で止まります。数時間にわたり上下にかき混ぜればよいのでは?と考えがちですが粉がこすれてエグみや苦味に癖がついてしまいます。そもそも数時間つきっきりで、かき混ぜる人もいないでしょう。非現実的です。つまり、浸漬式は時間を掛けても深い味わいが出にくいのです。 透過式  2秒に一滴程度の速度で、水を点滴して抽出します。200gのコーヒー粉に浸透するまででかなり時間が掛かります。十分染みてコーヒー粉が膨らみます。やがて飽和状態になり、最初の一滴が抽出されます。この一滴分の水がコーヒー粉に落ちて、一滴分の抽出液が抽出されます。延々数時間、これが繰り返されて旨味が強く、コクのあるコーヒーが抽出されるのです。 味わい深いのは 透過式  お湯であろうが水でああろうが、うまいコーヒーが飲みたければ透過式のコーヒーを飲むということになります。因みに、エスプレッソも透過式でありますが、抽出時間は20秒と早いのです。そこでコーヒー粉をより細かく引いて表面積を稼いで補っています。サイフォンは浸け置き式ですが、竹べら等でかき混ぜで浸透を助けています。ネルドリップやペーパードリップは完全透過式ですが、お湯を早く多量に注ぎすぎると、コーヒー粉に染み込む前に通過してしまい、あっさりコーヒーになってしまいます。(そこで粉を沢山使えばいいのでは?と思う方もいらっしゃると思いますが、濃いだけで味わいは少ないのです。)お湯でも水でもコーヒー粉に染み込むスピードと抽出されるスピードは同じであることが理想かと思います。実に理に適った抽出法であります。

受難のプッチンと梅干し

 すすむ、今どきの酸味離れ 苦いは毒、酸っぱいは腐敗 元来、人の体には苦いものは毒、酸っぱいものは腐敗と、記憶されているらしい。しかし、幼児期から大人になっていく経過で味覚の経験値を積み重ねるうちに苦味や酸味も旨味に深みを与える重要な要素だと学習するわけです。私もそうして経験を積んできた。  ところが、昨今あらゆる食べ物に「酸味のない」ものが求められる傾向にあるようです。果物も、酸味や苦味の柑橘よりも、甘さが売りのマンゴーに軍配があがる。おにぎりでは梅干しが肩身の狭い思いをしている。つまり幼い頃から酸味や苦味を経験せずに成長しているらしいのです。経験の無い味は保身のために口に入れないのが、人類には当然の行動とも言えるのですが。大手食品メーカーも売れないものは作らない、この傾向を死守しなければなりません。  我がコーヒーも例外ではなく、カフェラテのように、酸味の無い少量の深煎りコーヒー(エスプレッソ)に多量のミルクをいれて苦味を抑えたものが受け入れられるようになりました。昭和の時代はドリップコーヒーが主流なので苦いコーヒーといえばアイスコーヒーぐらいのものでした。未だに私は昭和のドリップコーヒーを続けているわけですが、当然若い方々を敵にまわしていることになるのでしょう。 「酸味の無いコーヒーはどれですか?」 自家焙煎をうたい、ストレートコーヒーを売りにし、日々精進努力を重ねている者にとってこれほど悲しいオーダーはありません。コーヒーというものは上質の酸味を出すことが必須であります。そこに凌ぎを削るのです。また、コーヒーは豆ごとに個性があります。風味であります。 最も基本となるのは、 酸味 甘み 苦味 です。これはどんなコーヒーにも必ず入っています。これに加えて豆の個性である風味があるのです。 これを見事に表現できたら珈琲職人は「ドヤ顔」で闊歩できるのです。焙煎の目的は豆の個性を引き出し旨味を作ることです。それが理想の焙煎です。逆に、これらの要素のうちの「酸味と個性」を消してしまう焙煎が「深煎り」であります。苦味と甘みしか残りません。コーヒーの焙煎は浅煎りとか中煎りとか深煎りとかではなく豆ごとに丁度よいバランスの取れた、所謂落とし所があると思っています。そこを探求するのが私の仕事なのです。  以前、まだ高校生の姪が店にくると予告してきた。友達も一緒だという。叔父...