水出しコーヒー






そもそも何故水で抽出するのか

  • お湯と水では抽出される成分に違いがあり、雑味・エグみがほとんど無い
  • 数時間掛けて抽出するので独特の風味や深い味わいが楽しめる

さらに、透過式(点滴式)と浸漬式があります

浸漬式

 ティーバッグ式は「浸漬式」です。他にも様々な器具がありますが水が移動しないものは浸け置き式です。粉が器具の中間にあろうが、底にあろうが同じです。浸漬式はすぐに飽和状態になってしまいます。水がコーヒー粉の中に染みたまま動かない。コーヒー粉からの成分抽出が一定量で止まります。数時間にわたり上下にかき混ぜればよいのでは?と考えがちですが粉がこすれてエグみや苦味に癖がついてしまいます。そもそも数時間つきっきりで、かき混ぜる人もいないでしょう。非現実的です。つまり、浸漬式は時間を掛けても深い味わいが出にくいのです。

透過式

 2秒に一滴程度の速度で、水を点滴して抽出します。200gのコーヒー粉に浸透するまででかなり時間が掛かります。十分染みてコーヒー粉が膨らみます。やがて飽和状態になり、最初の一滴が抽出されます。この一滴分の水がコーヒー粉に落ちて、一滴分の抽出液が抽出されます。延々数時間、これが繰り返されて旨味が強く、コクのあるコーヒーが抽出されるのです。

味わい深いのは 透過式

 お湯であろうが水でああろうが、うまいコーヒーが飲みたければ透過式のコーヒーを飲むということになります。因みに、エスプレッソも透過式でありますが、抽出時間は20秒と早いのです。そこでコーヒー粉をより細かく引いて表面積を稼いで補っています。サイフォンは浸け置き式ですが、竹べら等でかき混ぜで浸透を助けています。ネルドリップやペーパードリップは完全透過式ですが、お湯を早く多量に注ぎすぎると、コーヒー粉に染み込む前に通過してしまい、あっさりコーヒーになってしまいます。(そこで粉を沢山使えばいいのでは?と思う方もいらっしゃると思いますが、濃いだけで味わいは少ないのです。)お湯でも水でもコーヒー粉に染み込むスピードと抽出されるスピードは同じであることが理想かと思います。実に理に適った抽出法であります。