紙・布・金(フィルターの話)
紙は紙臭いとか。それなら布は布臭い。金属は金属臭い。
コーヒーのフィルターの材質。気になる人はフィルターにお湯を注いで飲んでみるといいです。湯通ししてから使うと良いでしょう。完璧なものなどありません。注目して欲しいのは
- フィルターの粗さ
です。フィルターで濾し取った残りをコーヒーとして飲むことになります。そこで実験してみました。
- 布フィルター
- 金属フィルター
- ペーパーフィルター
を用意します。500ccの水を注いで落ちきる時間を測りました。結果は早い順に並べると
- 40秒=金属
- 50秒=布
- 3分50秒=ペーパー
粗い順に速く落ちたのです。手持ちのものでは、金属が最も荒く、ペーパーが最も細かい。あえて味の特徴を言うなら
- 味が濃く油分も多めで、飲みごたえがあります。
- 濃度と風味のバランスが良く酸味もほどよくスペシャリティーに向きます。
- 甘みが出て、飲みやすい。(他の成分がフィルターに残る)
この実験ではペーパーが3分以上かかりました。500ccという量は非現実的でかなり多めですね。
荒いと多くの成分が通り抜けます(味も風味も多い)。細かいとすり抜ける成分が少なくなります(お湯との接触時間が長いので甘みは残りやすいようです)。
速い(粗い)フィルターでお湯を一度に注ぐとコーヒー粉に触れる時間が短すぎて薄くなってしまいます。湯量を少なくしながら、じっくり抽出する覚悟が要ります。家庭用には向かないかもしれません。
家庭でペーパーフィルターの使用率が高いのは、少しぐらい乱暴にお湯を入れても豆との接触時間が長いのである程度の旨味成分も抽出されます。あまりお湯を勢いよく入れ掻き混ざると粉が沈殿して目詰まりするので注意が必要です。微粉を減らすには粗挽きするか、2度挽きするか、篩(ふるい)にかけるか。
どのフィルターにも個性があって、それを生かすのは入れ方次第です。それもまた楽しみのうち。
- 目が細かいと抽出に時間がかかり、荒いと速くなります。
- 豆の挽きの荒さと、フィルターの目の大きさの組み合わせで選びます。
- 荒すぎると薄いコーヒー、細かすぎると目詰まりして抽出が止まってしまいます。
最初の注湯から完了まで3分程度で抽出します。(エスプレッソは微粉・高温抽出なので20秒で完了)